人の欲望とは恐ろしいもので、エアクリーナーBOXをカーボンにすると、リアスポイラーデッキリッド部の外気から通ずる、インテークダクトスクープもカーボンにしたいと考えるものです。
ましてや「最新の技術を使用した高品質のカーボンで気流とパフォーマンスを向上させる」「取り付け簡単」、などと言う謳い文句が記載されていれば尚更な訳です。
このダクトとエアクリーナーBOXを密閉する純正ゴムダクトシールと、ダクトを固定しているポップリベットもそのまま使えるという事で、
「なんだ、超簡単だ・・。」
と発注してしまいました。

数週間で手元に到着して早速見比べて見ると、サイズ感はほぼ一緒で「これは本当に違うのか?」と勘繰ってしまう程で、横に並べてみて初めてその「微々たる差」に気が付けます。
本当に若干ですが、開口部分がやや広く、本体の横幅が少し大きい様な、微妙に厚さがある様な、それらは微々たる違いであり、これもまた、明確なパフォーマンスの違いは感じられないかも知れないと思わされる物でした。
意外にも交換に手こずったのが「純正ダクトを留めているリベットの外し方」でした。
このリベットの頭には六角の跡も何も無く、中心を奥へと押し込んで、中に刺さっている小さなプラスティックの棒を、
「抜け落ちる寸前で止めて引き抜く」
という訳のわからない固定方法で留まっているのです。
慎重に抜け落ちる寸前を探しつつも、びくとも外れません。挙げ句の果てに、中の小さなプラスティック棒は完全に抜けて、デッキリッドの隙間に落ちてしまいました。結局のところ、完全に抜けない限り外れなかったという方が正しいです。
磁石のピップアップツールも相手がプラスティックパーツなので貼りつきません。偶然にも、
「掴むタイプのピックアップツール」を持っていたので、明るいLEDペンライトで照らしながらなんとか隙間から拾い上げました。
もう片方のダクトのリベットを外す際は、予めタオルを敷いておき、落ちても大丈夫な状態にしておきましたが、
そのタオルでバウンドしてさらに変な隙間に入るという失態を犯しました。
これを拾うのに冷や汗をかきながらかなり無駄な時間と労力を要しましたので、交換を考えていらっしゃる方がいらっしゃいましたら、迷う事なく「予備のリベットを新品で用意しておく」事を強くお勧めします。
さらに取り付けた交換後にこの小さなプラスティック棒を奥まで差し込んで固定するのも結構な力がいるので、次の日まで指がジンジンします。
ポルシェは何故こんな設計にしたのかまるでハテナ?であり、普通に六角ネジで良いのにと思えてなりません。

また、純正のゴム製ダクトラバーを外す時も注意が必要です。これは、エアークリーナーBOXとダクト部分の機密性を保つ、熱風を吸わせない重要な部分になります。
海外某有名社外品パーツメーカーで、毒キノコと呼ばれる剥き出しタイプのエアクリーナーキットがありますが、パワーダウンを引き起こすと海外のYoutuberがシャーシダイナモで証明し、我々マニアの間では有名です。
それくらい熱い空気にさらされる部分であり、既に、ダクトラバーのゴムが劣化している可能性がある為、
ラバープロテクションをタップリと吹き付けて数分置き、充分に弾力性を与えてからの取り外しと取り付けをお勧めします。

これもまたカーボン製の為、空気の通路である裏面のバリ取りをしてから、せっせと耐熱スプレーワックスでコーティングを施します。

純正ダクトを外した裏側は雨水や洗車時の洗剤汚れで汚れていますので、もれなく綺麗にします。

そして私の大好きな、流動帯電と噴出帯電対策のオカルトチューンである、特殊な特注アルミテープをカーボンエアダクト裏側の見えない所へ貼り付けてインストール完了です。

簡単な作業だという海外製品の謳い文句を丸々信じて甘く見てはいけない、単純作業でも絶対に気を抜いてはいけないという事を、改めて思い知らされました。
実際の変化はというと、これもまた「若干吸気音が鋭く賑やかになったかどうか」、それに釣られて、
「少し速くなったような気がする」だけの物として捉えた方が良さそうです。
レーシングダイナミクス社製では無いのですが、カーボンエアクリーナーBOX購入時に沢山サービスのステッカーを同梱して頂いたので、その内の1枚を2つに切り離して貼り付けて「統一感」を出してみました。
純正ダクトには「モービル社製ステッカー」が貼ってある為、このカーボンダクトにはポルシェの歴代レーシングカーにゆかりのある、他社製ステッカーをコレクションから引っ張り出して気分を盛り上げる為に貼ってみました。
ガソリンのシェル石油、オイルのリキモリ、何となくこのデザインと色合いと、エンジンが求める血液のメーカーとしての統一性で選んでみました。

面白いのは、このリキモリステッカーにはちゃんと製品番号がプリントされていて、たかがステッカーでも管理が厳しいんだなと感心させられたものです。

とは言え、リキモリはセラテックという添加剤しか使った事がなく、オイルは他社製を入れているのですが・・。
どなたかの参考になれば幸いです。
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